講師 : 松本悟(法政大学国際文化学部准教授)
1963 年神奈川県生まれ。87年早稲田大学政治経済学部卒業。99年シドニー大学地球科学研究科修士課程修了。2011年東京大学新領域創成科学研究科国際協力 学専攻博士課程修了。学術博士。NHK、日本国際ボランティアセンター(JVC)ラオス事務所代表などを経て、99年NGOメコン・ウォッチ事務局長、代 表理事に就任。2010年より同顧問。12年より現職。著書に『メコン河開発―21世紀の開発援助』、『被害住民が問う開発援助の責任―インスペクション と異義申し立て』など。2012年秋、東京で世界銀行・IMF総会が開催されました。世界銀行、IMFは一見すると私たちの生活に、ほとんど関係の無い「何をやっているのかわからない」国際金融機関と見られる事が多いのですが、例えば私たちが旅行の際に利用する「新幹線」などは世界銀行の融資によって建設されました。
他方、70年代以降は東南アジア等の発展途上にある国々、また貧富の格差が激しい国々において、インフラ整備、ダム開発などの大規模開発によって住民の強制移転や環境破壊等、数多くの問題(開発惨禍)を引き起こしており、その手法、政策には多くの批判が寄せられました。
戦後、世界銀行・IMFは先進国、発展途上国において様々な大規模開発を行いながら、その役割を強化してきましたが、中国をはじめとする新興国の台頭やリーマン・ショック、欧州債務危機を経る中で、その役割も変化しつつあります。
今回は、世界銀行や日本政府の開発援助政策をウォッチしながら、政策提言活動を行うNGOであるメコン・ウォッチ顧問の松本悟氏に、戦後~現在に至るまでの世銀の役割の変化や、NGOの動き、また市民の役割を「漫談」形式でお話しして頂きます。
また、福岡に拠点を置く地域市民バンク「もやいバンク」からも、地域で始める事ができる、人々の経済・金融活動を紹介して頂く予定です。
グローバルなおカネはどこに向かい、ローカルなお金を私たちはどのように使いながら、これからの社会を作っていくのか。日本を代表するNGOの論客と共に「これからの経済」について学びましょう。